工務店と考える快適な家づくり 夏涼しく、冬暖かい家をつくる

[3]工務店と考える快適な家づくり 夏涼しく、冬暖かい家をつくる

日本住宅新聞(平成19年11月5日発行)より抜粋

暑さ寒さを感じる4つの条件

涼しさや暖かさは、どんな時にかんじるのでしょうか。

エアコンやストーブのスイッチを入れた時はもちろんですね。
夏ならば、トンネルに入った時や風呂上りの扇風機、夜の公園の散歩などでも心地よい涼しさを感じます。
冬は、焚き火の傍や日当たりの良い窓際で、エアコンやファンヒーターとは違う質の暖かさを感じたことがあるはずです。

人間が暑さ寒さを感じる条件は4つあります。

①気温
②湿度
③風
④放射熱

です。

放射熱というのは、たとえば太陽や焚き火の熱がこれに当ります。
人が心地よいと感じる気温は20~25℃、湿度は40~60%の間だといわれています。
しかし、湿度が低くても風があれば30℃でも快適に感じますし、15℃ぐらいでも風の無い陽だまりは気持ちいいものです。

つまり、快適さは、この4つの要素が結びついた『体感温度』で決まるのであって、エアコンなどの温度設定をしただけでは得られにくいのです。
夏涼しくて冬暖かい家にするには、4つの要素をうまくコントロールすることがポイントになってきます。

4つの要素は、各地の気象とも関連します。地域の気候風土をよく知っている工務店を選ぶことは、快適な家を得るための重要な条件のひとつになります。

家の中の温度差を小さくして健康的に

ヒートショックという言葉を聞いたことがありますか。

人間の身体は急激な温度差によって血圧が急変動したり脈拍が早くなったりするなどの打撃を受けます。
たとえば冬場の入浴時、寒い脱衣場で服を脱ぎ洗い場に入る際には血管が収縮して血圧が上がります。熱いお湯に入ると、今度は急激に血圧が下がり、風呂から上がればまた血圧がグンと上昇します。

この繰り返しによって、心不全や脳卒中を引き起こす危険があるのです。
とくに高齢の方は深刻な事故につながるケースも少なくありません。
また夏場は冷房病も心配です。
冷房のきいた部屋から暑い外に出入りを繰り返したり、冷房に当り続けていたりすると、自律神経やホルモンに変調をきたしてしまいます。

温度差は、同じ部屋の中でも生じます。
ストーブをガンガンに焚いた部屋で、顔は汗ばむぐらい暖かいのに足元は寒いという経験をしたことはありませんか。
窓の側では、窓面で冷やされた空気が下に向かって流れます。
これによって部屋の中に気流が生じ、暖かい空気をさらに上に押し上げます。

昔の日本は、『夏をもって旨とすべし』というように、開放的なつくりでした。
冬は隙間風が入る部屋で、火鉢やコタツで暖を取っていました(採暖)。

ところが、暖房器具が発達すると、部屋ごとまたは家全体を暖めるようになります(暖房)。
いくら暖房をしても、家の造り方が昔のままでは、他の部屋との間で温度差が生じてしまいます。
暖房をしている部屋でも暖まるまでに時間がかかったり、上下の温度ムラができたりします。

健康に暮らすためには、家の中の温度をできるだけ均一にすることが欠かせません。
家の中に温度差がなければ、間仕切りを少なくし、吹き抜けをつくるといった開放的な間取りにもなります。

そのためには、家の中に寒さを入れず、熱を逃がさないつくり方が基本となります。