熱を逃がさない住まいとは

[4]熱を逃がさない住まいとは

家の中に寒さを入れず、熱を逃がさないための工夫や技術が断熱気密です。

断熱は、家を布団でくるむようなものです。
室内の暖かさが逃げないのは布団にあたる断熱材が、繊維や樹脂の間に熱を伝えにくい空気やガスを溜めているから。

断熱材の種類には、どの断熱材がもっとも優れているのかは一概には言えません。
断熱性能はもちろんですが、燃焼時に有毒ガスを発しない、湿気を出し入れする調湿作用がある、精度の高い施工がしやすい、シロアリの被害を受けにくい、廃棄時に環境負荷が小さい、コストなど、さまざまな条件が絡んでくるからです。

断熱材の施工方法には構造部分を断熱材でくるむ外張り断熱と、壁の中に断熱材を詰める充填(じゅうてん)断熱とがあります。
シートや繊維状のものは充填断熱、ボード状のものは外張り断熱に適しています。
どの断熱材、施工方法を選ぶにしても、断熱材の間に隙間があったり、孔があいているような施工では、性能を発揮することはできません。
とくに、柱の間に繊維系の断熱材を充填する場合は注意が必要です。

断熱・気密性能を知るためには、施工後に気密測定をしてもらい、そのデーターを見せてもらうのも一つの方法です。
気密測定結果の開示を家の引渡し条件にしている工務店は、一般的に技術レベルが高く、良心的といえます。

無機繊維系

グラスウール 繊維状 ガラスを繊維状にしたもの。密度が高いものほど断熱性に優れている。
ロックウール 繊維状 鉱物を細かい繊維状にしたもの。発がん性のある石綿とは違う。性能はグラスウールと似ているが撥水性はこちらの方がある。

発砲プラスチック系

ビーズ法
ポリエチレンフォーム ボード状 いわゆる発砲スチロール。ポリスチレン樹脂と炭化水素の発泡剤を発砲させてつくる。自由な形にできて、湿気に強い。
押し出し法
ポリエチレンフォーム ボード状 ポリスチレン樹脂に発泡剤を加えて押出成形したもの。断熱性や耐圧性は高いが、柔軟性に欠ける。
硬質ウレタンフォーム ボード状・
現場発泡
微細な独立気泡で形成されたプラスチック発泡体。
断熱効果は非常に高いが、燃焼時に有毒なシアンガスを発生する。
フェノールフォーム ボード状 フェノール樹脂を発泡硬化させてつくる。素材の安定性が高く、断熱性能を長く維持する。
ポリエステル 繊維状・
ボード状
リサイクルしたペットボトルの再生品。グラスウールのように、施工時に繊維が突き刺さることはない。
セルローズファイバー 繊維状
(現場吹込み)
新聞の古紙などの木質繊維が原料。繊維が絡み合った(現場吹込み)空気の層によって断熱性・防音性に優れる。調湿作用もある。現場で吹込むことで、隙間なく充填できる。

自然素材系

羊毛 繊維状 天然ウール100%のものと、化学繊維を混ぜたものがある。高い調湿作用があり、施工もしやすい。
炭化発泡コルク ボード状 コルク粒に熱と圧力を加えて加工。保温・吸放湿性に優れている。
樹皮断熱材 ボード状 杉皮とパルプをコーンスターチで固めてつくる。環境に与える負荷が小さい素材で調湿性能もあるが、断熱性能はやや劣る。
軽量軟質木質
繊維ボード
ボード状 廃材などの木の繊維をコーンスターチで固めてつくる。
調湿性能がある。